Kick-A Blog

漫画家・イラストレーター、菊池晃弘のブログです。

【Book】デヴィッド・ギルモア『父と息子のフィルム・クラブ』

f:id:kicktick43:20130902042242j:plainロバート・ヘンライの『アート・スピリット』に続き、またまたタマフル(TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』)の推薦図書特集で、個人的に引っかかった一冊。

 

本書は不登校になった15歳の息子と、映画評論家の父(著者)との交流をつづったノンフィクション。「学校は辞めてもいい。ただし条件が二つある。ひとつは麻薬には絶対手を出さないこと。もうひとつは週に三本、私が選んだ映画をいっしょに観ること」と、父は息子のジェシーに提案する。こうして、翌日から二人だけのフィルム・クラブが幕を上げるのでありました・・・・。

 

子供が人生の壁に直面したとき、親(自分)は何をしてやれるだろうか? 選択肢はいろいろあると思うけど、そんな緊迫した局面で「毎週いっしょに映画を観よう」という発想は目からウロコでしたww

著者の職業柄といえばそれまでだけど、ヘタなアドバイスをするよりは、時間をかけて名作映画たちにご教授願った方が全然正解でしょうね。無理な背伸びをせず、自分のフィールド(得意分野)を生かして子供と向き合う姿勢に、とても共感しました。

 

ギルモア親子が鑑賞した映画に関するウンチクが満載なので、期待どおり映画本として楽しめたわけですが、子育てに関する記述はどれも期待以上でしたねぇ〜。

 

《子育てとはさよならの連続である。まずおむつに別れを告げ、次いでベビー服に別れを告げ、そして最後には子供自身に別れを告げる。結局子供たちは、青春を親元ですごしてから去っていくんだ。》

 

《わが子のことなら自分は誰よりもよく知っていると、親は思い込む。なにしろ、あれだけ長い年月、階段を昇り降りし、ベッドに寝かしつけ、喜びと悲しみと解放感と心配を重ねてきたのだから、判断を間違うはずがないと思う。けれども、間違うのだ。子供はきまって、親の想像のつかないようなものをポケットに隠し持っているものだ。》

 

とにかくいろんな意味でグッとくる内容の一冊でした。教育にも使えてしまう「映画」というメディアの奥深さ、子育ての難しさ、フリーランスという職業の危うさ、などなど・・・。ウチの場合は、まずは「映画なんて興味ねえよ」などとヤボなことを言わない人間に育てたいと思いますwww